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社会をかえる

動画でかえる:富士北稜高校かえる組

富士吉田市の伝統産業である、織物の魅力を伝えるショートムービーを制作した。事前に織物の歴史や特徴、動画の撮り方などを学び、高校生が自ら取材計画を立て、撮影、インタビュー、編集を行った。撮影はiPhone、編集はアプリで行うことで、高校生たちが気軽に同世代の仲間たちへ展開できるような方法を取った。

< 協力団体 > TRAILS・織物を支える皆さま・山梨県富士工業技術センター

STEP0:はじまる

山梨県の郡内地方。富士山のふもとに広がるこの地域は、古くから「織物の街」として栄えてきた。今でもそれぞれの職人が個性を磨き、新しい織物を生み出そうとしている。富士山麓でしかできない、織物のルーツを若い世代に伝えたい。ものづくりの工程を知り、素材に触れて、織り手たちと出会ってほしい。広めてほしい。そんな機織りの産地の声から、はじまった取り組み。
高校生の視点で産業を捉えて、仕組みを考え、自分たちの感覚と言葉で伝えていく。

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STEP1:まなぶ

動画制作は、まずプロから動画制作に必要な”いろは”を教わることからはじめた。アウトドアカルチャーを中心としたWEBマガジンの発信や島根などで地域の事業創造なども手がけているTRAILS MOVIE WORKSを講師として招き、ブランディングやリサーチ、プランニングなどの考え方を、実例をもとに学んだ。いつも身近に触れ合っている商品の隠れたストーリーを聞くことで、多角的に物を捉えることを意識してもらった。

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STEP2:しらべる

「おりもの?ぬの?え、富士吉田で作ってるの?」
自分の住んでいるまちの伝統的な産業についてほとんど知らないものである。家業でやっていない限りは、知る機会もあまり与えられていない。
動画制作の上で対象のリサーチは大きな意味を持つ。
織物の現場で働く講師を招聘し、講義をうけながら、イメージを膨らませていく。ネクタイや、傘など、主要な製品を実際に手にとりながら「織物の街」を感じてもらった。

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STEP3:やってみる

身近なテーマを設定して、動画制作をやってみる。
必須アイテムはスマートフォン。講師陣より遥かに流暢に使いこなす生徒たち。これがデジタルネイティブ世代か。作る動画は何でも良い。今回は取り組みやすいものとして「道案内」を題材とした。A点からB点まで案内するために、右左折、階段、ドア、様々な要素をいかにわかりやすく伝えるかグループ毎に知恵を競い合った。動画の編集に関してはアドバイス程度で、操作などは言わなくてもすいすいとできてしまい講師陣も舌を巻いた。

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STEP4:練る

自分たちの伝えたいストーリーを作る。
撮影に行く前に、工場や糸、道具、働く人たちの写真100枚を使い、何を中心に伝えていきたいかグループごとに構成を考えるワークショップを行った。メインメッセージを定めて、写真を並べながら構成を練っていった。働いている人や手元などから、「働き様」を伝えたいグループ。その工場全体の雰囲気や使っている道具、機械などを中心に伝えたいグループ。自由に練ってもらうなかで、自分たちが何を大事にしているかというそれぞれの価値観を見つめ、摺り合わせながら構成していった。

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STEP5:撮る

いざ、工場へ。
かえる組の社会科見学は少し変わっている。スマートフォンを片手に、三脚を担ぎ、何をカメラに納めてやろうかとギラギラしている。
富士吉田の織物産業を支えている撚糸、染色、整経、デザイン、織り、整理加工、販売の7つの工程を行っている現場に伺った。そこでは伝統的な技術を受け継いでいる人、革新を起こしている人など、誇りを持って仕事に打ち込んでいる姿を納めることができた。構成を練ってきたものの、大人が懸命に仕事に打ち込んでいる姿を通して、かえる組の目も変わっていく。どう伝えれば理解してもらえるかと、現場で何度も話し合いを繰り返し、長いチームでは2時間以上も取材を行ったグループもあった。それにも関わらず、どの取材先も、高校生に地域の未来を託すかのように丁寧に説明、対応をしてくれた。

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STEP6:編む

さあ、素材は整った。話も聞いたし、動画も撮った。素材をどう調理するか腕の見せどころである。
ゆうに100コマ以上ある素材を1分間の動画に編集していく。
基本は構成したストーリーに沿いながら、でも、現場に行って感じた空気感も入れてみたり、綺麗な映像だから使いたかったりと、思いが溢れてしまい、大変な作業となった。
毎日放課後を作業にあて、試行錯誤を繰り返し、何度も推敲を重ねたくなるほどの地域魅力に触れることができたのかもしれない。

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STEP7:つたえる

動画はすごい。表情が伝わる。動きが伝わる。雰囲気までも伝わってくる。
各グループが撮った動画を生徒や地域の人たちへと広めていくことで、富士吉田の伝統的な産業を盛り上げていく。何かをつくり出すこと、それが人の目に触れることは、大きなチャレンジである。誰かに何かしらの反応を求めることになるから。大人だってビビってしまう。そんなチャレンジを彼らはしている。
動画制作、その過程で得た様々な困難な体験や、思わず笑ってしまったような体験を通して、大きく成長していく。

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かえる

社会をかえる。
日本全国、地場産業で栄えた土地は、海外との競争を強いられている。少子化も相まって後継者不足の問題もある。
どうやって若い世代に伝統を継承していくか。どうすれば興味を持ってもらえるか。
かえる組の動画制作の取り組みでの生徒の主体的な姿勢は、参考になるかもしれない。
現場に出て、目的を持って、主体的に考えて、伝えることを繰り返し行うことで成長した生徒達は、「みんなを喜ばせたい!」、「みんなの笑顔が見たい」と行事毎に動画を作って、仲間を楽しませていきたいらしい。

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