富士学苑高校 中村朱里さん

「生徒に聞いてみた」第1回。
富士学苑高校の中村朱里さん(2020卒)。
彼女は2019年度からかえる舎と一緒に地域活動に取り組んできました。
特に2020年度は新型コロナウイルスの影響もありながら、地域のためにできることをと精力的に活動してきました。
そんな彼女がかえる舎との経験を通して、何を感じ、どう変化があったのか聞いていきたいと思います。

中村朱里さん→あかり
かえる舎→かえる


あかり
え、もう録音してるの?絶対早くない?

かえる
うん?してないよ。

あかり
いや、してるじゃん(笑)
早いって(笑)

かえる
じゃあ、出会いから話す?

あかり
ねえー(笑)
本当に急なんだよなあ(笑)

かえる
これまでをふりかえるか。かえる舎だし。

あかり
いいから、そういうの(笑)

かえる
はじめて会ったのはいつだっけ?

あかり
2年生の10月だったかな。
はじめは学校で活動の説明にきたよね。

かえる
あかりは最初から目立ってたよ。
すごいうなづいて聞いてくれてて。
もうアニメだったら完全に後々大事になってくる登場人物みたいな。

あかり
そんなところまで覚えてんの。やだ。(笑)

かえる
どうやってかえる組の存在を知ったの?
(※かえる組=高校生の地域活動グループの名称)

あかり
何で知ったかは、かえる組のチラシが学校に届いて、それを見て、何か自分が成長できるようなことをしてみようと思ったから参加したよ。あのすっごいショッキングピンクのやつ。(笑)

例の募集チラシ

かえる
富士吉田市内の各学校で募集のチラシを配布させてもらってるんだよね。
目立つかなと思って、きつめのピンクにしてみたのよ。単純でしょ。
でさ、最初、話を聞いてみて、その時の印象は?

あかり
やる前は、今の印象より、もうちょっと硬そうなイメージだった。
事務的というか。部活動的というか。
市役所がやってるっていうちゃんとした活動じゃん?
自分が、その時は、勉強と部活しかイメージがなかったから。
今はそのどちらでもないかえるっていうイメージを言えるけど。
だからどちらかというと部活みたいな感じかなって思ったけど、今とイメージが変わったよ。

かえる
部活でも授業でもない形ってこと?何が違うんだろう。

あかり
うーん、なんかもう自由って感じ。(笑)
自由というか、一人一人が自立的だったりして、自分でルールを決めてやっているって感じ。
部活って行かないと怒られるとか、ちゃんとやらないと怒られるとか、先輩後輩の差が激しいとか、決まってて強制的でって感じじゃん。
でも、かえるはそういうのはなくて、ルールやゴールも自分たちで決めて、主体的に動いていくって感じなんだよね。だから、自分がやりたいっていうやる気があれば、活動もできるし、活躍もできる。仲間とみんなで主体的に一緒に取り組んでいくみたいな、そんな感じ。
かえるでは目的があれば、何でも許される的な心のゆとりがある。
それが一番大きい。

かえる
かえるは、たしかにそうかもしれないね。
かえるって、みんなで一緒に次はどこの島に行こうかって目的地決めて冒険してっていうリアルワンピースみたいだよね。全然知らない島でも、とりあえず行ってみたらめちゃくちゃ得るもの大きいみたいなこともある。

あかり
本当本当。
私は2年からだけど、これまでいろいろなことやってきて。
地域防災について考えたり、商品開発したり、婚活事業でしょ、熨斗(のし)も作ったし、フジファブリックを伝える活動もして、高校生サミットも企画した。
本当色々やってるんだよね。こんなにやったのって感じ。(笑)

かえる
すごいよね、なんかもう地域筋ムキムキみたいな(笑)
いくつか印象に残っている活動はっていうとどれになる?

あかり
印象に残ってるのは、最初のハタオリマチフェスティバル(通称ハタフェスhttps://hatafes.jp)の出店と味噌かな。ハタフェスは、最初のイベントだから結構印象に残ってる。たぶん緊張もしてたし、わくわくもしてた。あと何だろうな。かえるの空気感がつかめたっていうのもある思う。

初イベント参加の様子

あかり
あとは、ハタフェスで地元の人たちから反応・感想を直接もらえたから印象に残っています。
味噌は、私たち、富士吉田のお米の良さを伝えるために商品開発で味噌作ってるんだよね(https://kaeru.gonna.jp/wp/activity/718/)。それは、自分たちの活動がしっかり地元に残るものになったから嬉しかった。そういうのやりたいなって思ってた。

完成した味噌

あかり
あ!あと、あの!できた味噌を市長さんに届けに行って、富士吉田のミルキークイーンがとか、吉田の印象がとても変わったよとか報告した時に、市役所の方が「感動した」って喜んでくれたのも嬉しかったなあ。

市長に味噌を届けた様子

かえる
あかりの中でかえるをやって変わった感覚はある?
自分をかえる、地域をかえるのかえる舎だから。

あかり
変わった変わった、めちゃめちゃ変わった。
最初は地域なんてどうでもいいって感じだった。
ただの地元の高校に通っているちんちくりんだった。
狭い世界でいきていたなあって。(笑)
学校だけじゃん。ほぼ。
周りも関わる人が限定されていて、地域の人と関わる機会なんて全然なくて。
それが、かえるに入って、いろいろな人と関わって。
まず、違う学校の先輩後輩同級生と関われるし、それだけでも不思議な状況。
同級生と関われるし、地域の人とも関われるし。
だから、大きい変化としては、地域に感謝を持つようになった。

かえる
かっこよ!

あかり
かっこよくない。(笑)
当たり前のことだよね。(笑)
でも、学校にいると地域の人の活躍を知れない。見えないんだもん。
でも、活動をやっていく中で、地域に思いを持って活動してる大人のみんなが、私たちのために仕事というか、努力して、時間かけてやってくれていることを知ると、普段の生活の幸せさがわかるよね。
っていう話。
全然話がまとまってないけど大丈夫かな(笑)

地域フィールドワーク中の様子

かえる
大丈夫、大丈夫。
そういう地域で支えてくれる大人の話っていったら、あかりのお母さんもすごいありがたいって思ってて。いつもあかりをお迎えにきてくれたり、こう、活動を応援してくれるじゃん。だから、あかりのお母さんもかえるを支えてくれてるって気持ちもあってさ。

あかり
もうなんかかえるが浸透したよ。
「かえる行ってくる〜」
「はい、行ってらっしゃい、かえり何時」みたいな。

かえるいや、その会話普通じゃないからね(笑)
かえる行ってくるって言ったら、え?って普通なるから、それくらい家族にも浸透しているってことだね。ありがとうございます。家族にはどうやって活動を伝えたりしてるの?

あかり
家族のLINEグループあって、そこにかえるでの発表会の動画送ったりしてるよ。(笑)
みんなに見てもらったり、あと、作った味噌で料理作ったりして、みんなでたべたりしてるよ。なんなら、昨日も食べたよ。

オンラインでの発表会の様子

かえる
いい家族だなあ。
家族にもだけども、あかりは、かえるを紹介する時、どう説明するの?

あかり
地元の小さな幸せを作る活動。って言うかな。
小さなっていうか、イメージ的には、届くべきところに届けている。届けるべきところか。
前にも言ってもらったんだけど、誰のために、誰がどんな顔をしてほしいか、考えて活動するってのをすごい意識してるんだよね。
私は世界平和とか大きいテーマだと何かイメージできなくて頑張れないけど、自分が届けたい人が明確だと頑張れた。
この人に喜んでもらいたいから、活動してますって、そういう小さな幸せを作るために頑張る。ってところかな。

かえる
みんな1人1人がそれをできたら世界平和になるよね。
だんだんとそういう気持ちになっていったの?

あかり
もとからは違う気がする。
きっかけとか全然浮かばないけど、もともと、私の性格として、やるときは100やる、やらないときは0ってタイプだから。
本当にやるって決めたことに関しては、100やるから、努力したことに対して返ってくるように、頑張ることはしたいって思ってる。
だから、身近な顔の見える関係性の人たちが、どうしたら喜んでくれるかを考えて活動するっていうことは、私の性格と相性がよかったんだと思う。
結果がわかるから。ダメだったら、ダメで直せるように100頑張れるし、よかったらどんどん進めるし。
もし、何か地域の課題を解決するんだって大きな目的だったらそんなにやれなかったかもしれない。
たまたまかえるの大事にしてる思いが良かった。
それはすごい影響を受けました。

活動風景の様子

あかり
でも、やってないこともたくさんある。
勉強とか、頑張れなかったな。正直。
人よりできない。苦手。
好きなことは頑張れる。かえるに夢中で、やろうってなれた。
きっかけっていうと浮かばないけど、きっと1つじゃないんだと思う。
積み重なってるんだよ。きっと。

かえる
あかりは勉強してると思うよ。
どう言ったら表現したら伝わるかって、インスタとか使って調べたり、それを動画にしてみようって動画の工夫を調べたりとかとても勉強熱心。点数がつくものではないかもしれないけど、誰かの役に立つために学び続けるっていう姿勢は素晴らしいと思うよ。
あかりはこれからの進路はどう考えてる?

あかり
ウェディングプランナーになりたいっていうの目標は高2の時から持ってる。
一番かえるで学んだ、周りの人に感謝して恩を返していくってことは、きっと仕事や日常生活にもいきてくると思う。あとは考え方かな。
やっぱり、いろいろ考え続けるじゃん、かえるって。
企画もするし、自分の思いを伝わるように文章にしないとダメだし、誰のためにってイメージも具体的にしないといけない。ウェディングプランナーはきっと新郎新婦の2人がどう思ってもらうか大事だから。そういうのってきっと生かせるような気がする。

地域向け報告会時の様子

かえる
力になれてたら嬉しいな。僕らは「ジモトサイコー」ってみんなが地元を誇れるようになってくれたうれしいなって思いはあるんだよ。地元って選んで生まれてくることってできないから、せっかくだったらそんな地元を肯定して生きていけた方が絶対幸せな気がするの。

あかり
それはもう、既になってて、すごい誇らしいよ。(笑)

かえる
あかり自身の地域の見え方みたいなのはどうですか?

あかり
そこは大きく変わったと思う。
前までは、自分が生まれた場所、富士山がある、まあ東京より水美味しいんじゃないってくらいのイメージ。
本当にそれだけ。だけど、東京早く行きたいな。富士吉田何もないし。早く東京行って、ハッピーライフを送りたいなって思ってた。
それくらい、地元には無関心だったし、魅力は感じてなかった。
でも、かえるに入って、富士吉田っていうと、富士山とか何かが有名っていうことじゃなくて、そこで暮らしている人が見るようになった。
東京にはないものがここにはある。人がいいよ、富士吉田は。
距離が近いし、こんなに私たちのことにも一生懸命になってくれる。
何か愛があるような人たちが多くて、いいなと思うようになった。
これは東京に行ったら、もっと感じると思う。
私は東京に行ったら、埋もれそう。(笑)
自分がいなくても、世界は変わらずありそうって思っちゃう。(笑)
地元にいたら、そんなことはないと思う。
自分っていう1人の人間として生きていける気がする。

かえる
あかりは、すごい成長したよね。相手を思いながら言葉を選んでいる印象がある。
あかりはリーダーとしてグループを引っ張ってもらってたから、そこは意識してた感じかな。

あかり
してたしてた。
感謝を毎回ちゃんとラインで「ありがとう」って送るのは忘れないよにしないととかね。
これも前言われたことで、横を向いてるかどうかっていう

かえる
日常的な部分でやってることあったんじゃないかな。
やっぱり立派になったんだね。

あかり
お母さんもそう思ってる。
そう感じてほしいよね、これだけやったからさ(笑)
あえて、後輩たちに言いたいことがあるとしたら、富士吉田って最高のまちだから、みんなはすごい幸せだよって伝えたい。自分たちが思っている以上に自分たちは守られてて、自分たちのために動いている人が多いってこと。そういうことは後輩たちにも伝わるといいな。
高1からやりたかったなあ。

かえる
嬉しいですね。
こうやって一緒に活動できたことがすごい嬉しいし、誇らしいです。
じゃあ、将来はぼくの結婚式も。

あかり
うわ、やだ。(笑)
けど、本当にありがとうございました。